放送番組の編集の基準

更新日:2020年4月1日

株式会社ソニー・ミュージックソリューションズは、全国民を対象とする公共放送としての社会的責任と公共的使命を深く受け止めたうえで、衛星デジタル放送の特性を活用した高品質の放送サービスを提供することを通じて、国民の生活の向上と文化の発展に努め、ひいては公正かつ健全な民主主義の発達に貢献することを目的とする。 この目的に向け、当社は公正な立場と自立性の維持、基本的人権の尊重、表現の自由の尊重に努め、質の高い放送サービスを提供することによって国民の期待と信頼に応える。 放送法第3条の3第2項の規定に則り、以下を放送番組の編集の基準と定め、かつこれを各種印刷物、ウェブサイトなどを通して公表する。また、基準の変更を行った場合もこれを速やかに公表する。

第1条(目的)

本基準は、放送事業に関わるすべての当社の役員・社員が、放送番組(第三者の制作によるものも含む)の制作・放送に際して、関連するすべての法律・規則および社内規程・方針を遵守し、それらの要請を役員・社員が確認し理解し、かつ視聴者たる国民に宣言するために定めるものである。本基準に従い、全役員・社員が個々当社の規範となるような活動を行うものとする。

第2条(基本理念)

1. 当社の放送番組は、下記の理念に従うものとする。
(1) 人権を尊重する。
(2) 憲法、法律その他すべての法規を遵守する。
(3) 表現の自由を尊重する。
(4) 公共放送として当社の担う社会的責任を自覚し、責任ある活動を行う。
2. 放送番組の内容において、第1項に関連した表現、および社会通念上慎重な取り扱いを必要とする表現を伴う場合には、本規準に違反しないかの判断を行う。またその際には、児童・青少年やその表現で不快な思いをする可能性のある対象者の保護と、表現の自由の両者を鑑みて判断を行うものとする。

第3条(本基準の構成)

本基準の対象となる表現・適用範囲については、第4条、第5条、第6条にてそれぞれ規定する。本規程適用範囲において、対象となる表現が含まれる場合もしくは含まれるおそれがある場合には、社内において組織される番組考査機構において判断し適切な措置をとるものとする。

第4条(本基準の対象となる表現と個々のガイドライン)

1. 以下に具体的に慎重に取り扱うべき内容と、取り扱う際のガイドラインを記載する。
(1) 人権・人格・名誉の取り扱い
①人権を守り、人格を尊重する。
② 個人や団体を傷つけたり、信用を損なうような表現は行わない。
③ プライバシー・肖像権を侵害するような表現は行わない。
④ 男女差別は、どのような場合にも是認しない。
⑤ 職業を差別的に扱わない。
⑥ 身体の不自由な人や、心の病など障害のある人、および疾病・病歴に関する表現を扱う場合は、本人やその関係者の人権を十分に尊重し、同じ障害に悩む人々を傷つけないよう、十分に配慮する。
(2) 人種・民族・国際関係の取り扱い
①人種的、民族的偏見を持たせるような表現はしない。
②国際親善を妨げるような表現はしない。
③人種・民族の呼称・風俗・慣習・ことばなどについては適切に扱い、人種や民族をやゆ(揶揄)するような表現はしない。
(3) 宗教の取り扱い
①宗教に関する配信は信仰の自由を尊重し、公正に取り扱う。
②特定の宗教・宗派を取り上げる場合は、それが表現内容にとって本質的かつ重要な要素であるかどうかを、十分に考慮する。
③宗教上の行事や、しきたりなどを戯画化したり、やゆ(揶揄)したりするような表現はしない。
(4) 政治・経済の取り扱い
①政治上の諸問題は、不偏不党の原則に立って公平な立場を取らなければならない。
②経済上の諸問題で一般に重大な影響を与えるおそれのあるものの取り扱いについては、特に慎重を期する。
(5) 論争・裁判の取り扱い
①意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う。
②現在、裁判で係争中の事件については、正しい法的措置を妨げるような取り扱いをしない。
(6) 暴力・残虐行為の取り扱い
①暴力行為を是認するような表現はしない。
②暴力に関する表現を取り扱う場合には、慎重に取り扱う。
③人心に恐怖や不安または不快などの念を起こさせるような可能性のある表現については、慎重に取り扱う。特に児童・青少年への影響には十分に配慮する。
④残虐な行為や肉体の苦痛を詳細に描写したり、誇大に表示または暗示したりしない。
(7) 風俗・性描写の取り扱い
①性に関する問題は、品位を失わず、利用者に困惑・嫌悪の感情を抱かせないように扱うことを基本とする。
②不健全な男女関係を直接的に扱ったり、肯定するような表現はしない。
③番組内容の芸術性によって、性に関する表現や描写が必要な場合においても、家庭に直接、映像や音声が届くという配信の特性に十分留意する。
④視聴対象などについても十分配慮する。特に、児童・青少年に及ぼす影響について、細心の注意を払い、直接的な性描写を多く含む内容を取り扱う場合、青少年が視聴することがないように十分な制限を行う。
(8) 犯罪に関する取り扱い
①犯罪については、法律を尊重し、犯罪行為を是認するととられる可能性のある表現は取り扱いに注意する。
②犯罪の手段や経過などについては、必要以上に詳細な描写をしない。
③違法とばくまたはそれに類似の行為を是認するような描写をしたりしない。
④医療以外の麻薬の使用は、反社会的な行為であることを明確にし、悪用のきっかけとならないよう慎重に扱う。
(9) 青少年の保護
①青少年の人格形成に貢献し、よい習慣、責任感、正しい勇気などの精神を尊重させるように配慮し、性、暴力、反社会的行為など青少年に悪影響を及ぼす可能性のある内容を取り扱う場合、青少年が視聴することがないように十分な制限を行う。
②いじめ、虐待を是認するような表現はしない。
③未成年の喫煙、飲酒、未成年者出入制限区域への出入等、未成年者に対して法律的に禁じられている行為を是認するような表現はしない。
④危険性のある行為の描写については、特に青少年の安易な模倣を促さないよう、十分に配慮する。
⑤青少年による反社会的な行為を肯定的に描かない。
(10) 表現方法に関する取り扱い
①わかりやすい表現を用い、正しいことばの普及につとめる。
②原則として、共通語によるものとし、必要により方言を用いる。
③下品なことばづかいはできるだけ避け、また、不必要に卑わいなことばや動作による表現はしない。
④通常知覚できない技法で、潜在意識に働きかける表現(サブリミナル表現等)はしない。
⑤アニメーションなどの映像手法による身体への影響に配慮する。
⑥配信の内容や表現については、受信者との生活時間との関係を十分に配慮する。
⑦人権・人格・名誉を傷つけ、差別感や侮べつ感を与えるおそれのあることばや表現は用いない。
⑧ことばの中には、職業・出身・障害・性・外国人などについて、差別的な意味で使われるものがある。これらのことばは、さまざまな差別を容認していた時代の名残であり、こうした差別的な意味での使用を避けるだけでなく、差別意識の解消に努める。
⑨差別的な用語とされていることばのほか、普通のことばでも、使い方によっては差別的な意味が生じることがあるため、表現には常に配慮するものとする。
(11) その他、法律関連等
①放送や表現に関連する法律を熟知し、法律に違反するような表現はしない。
②本規程に定めがない場合であっても著しく社会通念に反すると判断される場合には、本規程に準じて取り扱うものとする。
2. 前項に基づく判断を行う際には、表現の自由を尊重し、下記に留意するものとする。
(1) 本規程の適用や解釈によっては、表現の自由を抑制する可能性をもちうるため、慎重に判断するものとする。
(2) 本規程の適用にあたっては、表現単体で判断せず、全体の文脈の中で判断するものとする。
(3) 本規程に照らして問題のある可能性を含む表現であっても、そうした表現物が持つ対抗的価値観や芸術性を比較考慮のうえ、判断するものとする。
(4) 表現は常に社会的な価値観とともに変化するものであり、本規程の適用や解釈にあたっては、そうした事情を考慮の上、判断するものとする。また環境や法整備の変化の影響についても同様とする。

第5条(広告)

1. 広告は、関連法令などを遵守したうえ、事実に基づいた真実を伝え、視聴者に利益をもたらすものでなければならない。
2. 広告は、広告主の名称・商品名等を明確に表示し、責任の所在を明らかにするものでなくてはならない。
3. 広告は、総放送時間中所定の比率を超えないものとする。

第6条(訂正)

放送が事実と相違していることが明らかになったときは、すみやかに取り消し、または訂正する。

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